こんにちは。映像作家の宰(@sai_filmmaker)です。
平素は企画力を売りにしているので、カメラや機材はそこまでお金をかけずにやりくりしています。
機材パワーのすごいカメラマンはたくさんいるし、機材で頑張るより得意な発想力で頑張ろうという作戦です。
ですがこの度、vookのキャンペーンで運のよいことに「NIKON Z7Ⅱ」を使う機会に恵まれました。
映像関連はほとんどが男性目線でのレビューですが、本記事は女性が気になる点(重くて疲れないか、ボタン配置に無理がないか)に重きを置いたレビューとなっています。
※本記事は映像クリエイター向け情報サイトの「Vook」でも微修正して投稿しています。
Z 7Ⅱ概要
まず、Z 7Ⅱのスペックはこちら。
センサー・・・フルサイズ
画素数・・・4575万画素
ISO・・・64-25600
マウント・・・Zマウント
質量・・・約705g(バッテリーおよびメモリーカードを含む、ボディーキャップを除く)
Z 7Ⅱ は2020年12月に発売されたので、まだ発売から1年足らずのNIKON一眼では最新機種です。
(※NIKONは年内に新たにZ9発売の予定。)
映像スペック
映像クリエイターとしては、ほかのカメラとは映像面でどんな違いがあるのかが気になります。
こちらが映像スペックです。
記録画素数・・・最大3840×2160(4K UHD):60p/50p/30p/25p/24p
最長記録時間・・・29分59秒
ファイル形式・・・MOV、MP4
映像圧縮方式・・・H.264/MPEG-4 AVC
録音装置・・・内蔵ステレオマイク、外部マイク使用可能、マイク感度設定可能、アッテネーター機能
動画モード:動画撮影可能時間
・モニターモード[ファインダーのみ]時:約100分
・モニターモード[モニターのみ]時:約105分
記録画素
普段の作品撮りで4K以上を求めることはないのですが、最安で35万のカメラ(2021年11月現在)は6K撮れるといいなあと思いますよね。
単純比較はできませんが、Black magic は似た価格帯で6Kが撮れるカメラがあるんですよね。
これから買うなら6Kないと映像クリエイターとしては物足りない予感がします。
写真を撮るならNIKONと聞くので、写真の比重が大きい人はこのカメラがかなり魅力的に映るのかなと思います。
実際に、日が落ちた雨空のカッパ淵で撮影してもこれだけ明るいです。
Fマウント恐るべし。
音質
上の動画に入っている声はカッパ釣りをしていた親子です。
3mくらい離れていましたが、かなり音をクリアに取っているのがわかるかと思います。
遠野の旅ログ撮影では終始内臓マイクで撮影しましたが、下手に3000円くらいの外付けマイクを使うよりも断然音が良いです。
雨のさーっと降る音や、自身の話し声はYoutubeで使う程度なら十分なレベルです。
そもそもひとりの旅ログ撮影で音までこだわる余力はないので、BGMを付ける前提で撮影でしたが。
また、室内での撮影にも使用しましたが、静かな環境ではホワイトノイズはどうしても気になります。
ただ、高音気味の私の声も無理なく拾っているという印象です。
手になじむボタン配置
造形デザインについては、見た目はスタイリッシュ、手には快適さの合わせ技です。
ミラーレスだけあって、ボディが薄いです。
平均的な女性の手でもつかみやすいグリップの厚さで、カメラをするっと掌で包み込める印象です。(私の手は全長17cm。おそらく平均。)
薄いと握りやすくなり安定しますし、安定すると重さが気になりません。
録画ボタンとシャッターボタンが並ぶ位置にあるのですが、このささやかなボタン配置が快適でした。
所有カメラにcanonのkiss x8iがあるのですが、これは録画ボタンがモニター寄り(ファインダーの下あたり)についているため、ボタンに親指を伸ばして「えいやっ」と押す必要があります。
写真を1,2枚撮ってから映像撮影に切り替える…ということが良くありますが、写真撮影のあとには人差し指でボタンを押す感覚のまま録画しようとするので、ボタンを間違いがちなんですね。
その逆もしかり。
『シャッターボタンと録画ボタンを並べてくれたら良かったのに……』と何度思ったことか。
kissには愛着もありますし、写真のみを撮ってる間は良かったのですが、映像メインになってきた現在は、映像向けのつくりを重視する必要を感じています。
そうなるとZ7Ⅱの写真・映像どちらもやることを考えたボタン配置は感心せざるを得ません。
人工工学を前提に造形デザインされたんじゃないかと疑っています。
公式サイトではそういう点を全く押し出してないのですが、合理的なデザイン性の高さはもっとアピールしてほしいです。
これは触って比較しないとわからない点ですよ。
デザインがオシャレ
高級オールドカメラに多い革風の見た目がオシャレ。
値段の高いものになるほどデザインの満足感も重視するようになりますよね。
全体的にすっきりとスリムな形。都会の乾いた空気感が似合いそうです。
親しみやすいご近所さんよりは、ハードボイルドで孤高な一匹狼を想像させます。
長時間持つバッテリー
声を大にして言いたい、映像クリエイター的メリットは「バッテリー持ちが良い」!
標準のバッテリーがそもそも大容量なので、1回カメラを回している間にバッテリー切れ……なんて事故が起きにくいです。
岩手で旅ログ撮影で歩き回っていた3日間、朝から夜までバッテリー交換はしていません。
カメラの電源が入っている時間+撮影時間が2時間未満として、公式のスペック表は確かに満たしていました。(むしろ余裕があるくらい。)
動画モード:動画撮影可能時間
・モニターモード[ファインダーのみ]時:約100分
・モニターモード[モニターのみ]時:約105分
普段使っているカメラは映像撮影は20分しかもたないので、バッテリー切れと時間を気にしながら撮っています。
バッテリー切れに気づかずyoutubeの自撮り撮影をしていたことに気づくと萎えるんですよね。
バッテリー切れしない快適さを知ってしまったので、いままでのカメラには戻れないかもしれません。
良いところだけ?
ハイクラスカメラの快適さにすっかり魅了されましたが、唯一の弱点に気づきました。
プレビュー時の映像のコマ落ちがたまに起こります。
実際、撮ったデータに問題はなかったのですが、少し不安になりますね。
プレビュー確認を確実にするには、別途モニターを使うことになるのでしょう。
※プレビューのコマ落ちはほかのカメラも似たようなものかもしれませんが。
結論 ハイクラス初心者も楽々使える
当初『ハイクラス機材は使いこなすのが難しいんじゃないか』と思っていたのですが、ぶっつけ本番撮影でも快適に撮影できました。
手になじむ形とボタン配置のデザイン面&バッテリーのノンストレスが高得点です。
カメラマン仲間(機材ガチ勢)にもZ 7Ⅱを見せたのですが、「NIKONは写真に強い反面、動画はあまり得意じゃない」と言いながらも、「握った時点で良いものってわかる。ほしい。」と称賛していました。
その時に2014年発売のハイクラスカメラsonyのα7Ⅱを触って比較させてもらったのですが、そちらはグリップを握ったときに掌にあたる突起のごつごつ感が気になりました。
長時間にわたって手に持つことが前提の写真撮影の場合は、握り心地の差は大きいですね。
ただ、動画撮影メインで、ジンバル装備が標準であれば、グリップの手になじむ感覚はそこまで気にする必要もないかもしれないと、旅先でのワンオペ撮影を通じて感じました。
Z 7Ⅱの動画
Z 7ⅡのレビューはYoutubeでも行っていますので、参考にご覧ください。
Z 7Ⅱで撮った映像も少し入っています。(8分50秒から)
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